発達障がいQ&A
Q.発達障がいと診断されました。親の育て方が悪いからなったのでしょうか。
A.先天性の脳の機能障がいであり、発達障がいになるかどうかと育て方には関係はないと言われています。しかしながら、お子さんのその後の発達は、近くでかかわる人たちの接し方が大きな影響を与えます。まずは、親御さんがお子さんの発達の特徴をよく理解したうえで、周囲の理解を深めていくことが大切です。
お子さんが発達障がいとわかったときの親御さんのショックはとても大きいことでしょう。ですが、もし“診断を受けることで、そこからいろいろな支援ができる、お子さんの可能性を広げてあげられる”といった気持ちで、子育てに取り組んでいかれることができれば、お子さんの成長を助けることにつながることでしょう。
Q.おうむ返しをよくするのですが、やめさせたほうがいいのでしょうか。
A.自閉症のお子さんは、おうむ返しをすることがよくあります。ですが、おうむ返しができることは決して悪いことだけではありません。私たちも誰かに質問された時には、その質問を頭の中で再生しているように、おうむ返しができるということは、その質問がきちんと再生でき、音声ことばを使えている証です。
たとえば、こちらが「こんにちは」と言ったときに、お子さんが「こんにちは」とおうむ返しでも応えたときには、「ちゃんと挨拶できたね」と喜んであげることで、お子さんにとってはうれしい経験が増え、コミュニケーション能力の発達にもつながります。
Q.1人遊びが多く、人とのやりとりが少ないのが気になります。
A.発達障がいのお子さんは、なかなか自分から人とかかわって遊ぶことが苦手です。かかわる側もそれに臆してしまうとかえって、人とのやりとりが少なくなってしまいます。まずは、かかわる側がお子さんをくすぐったりしてみて、どんなかかわりで喜ぶのか反応を見たり、お子さんが何か課題ができて嬉しそうな時に、すかさずハイタッチをするなどして、一緒に喜んであげましょう。楽しく人と関わる機会を増やしてあげることで、少しずつ人とのやりとりに慣れていけるといいでしょう。
Q. 食事中、立ち歩いてしまいます。どうしたらいいでしょうか?
A.まずは、「ごちそうさま」で食事が終わることを教えていきましょう。2、3口食べて動き出そうとしたら、子どもと一緒に手をあわせて「ごちそうさまでした!」と言って食事を下げてしまいましょう。「ごちそうさま」が食事の終わりの合図であることを伝えてあげます。食事に限らず、行動や活動の、始まりと終わりをきっちり教えてあげることは大切です。そうすることで、お子さんが“今は何をする時間なのか”が、わかりやすくなり、いろいろな物事に取り組みやすくなります。
Q.将来の自立を考え、できることを増やしたいと思っているのですが。。。?
A.まずは、お子さんの興味関心のあることから活動を広げてあげましょう。たとえば、「泳ぐことが趣味」という場合には、プールの利用方法、準備運動の仕方や泳ぐための基礎体力の付け方など身につけておくべき基礎スキルを一緒に練習してあげましょう。また、調理など将来に役立つスキルが身についているかどうかを、一緒に確認してあげることもよいと思います。たとえば、調理には日常生活に必要な基礎スキル(ご飯の炊き方、電子レンジの使い方、材料の買い方、ごみの出し方等)がいろいろ含まれていますから、調理をすることを通してお子さんの活動のレパートリーをいろいろと拡げてあげることもできます。今、お子さんがどんな発達段階で、将来どういうスキルを身につけておくといいのかを考えて一緒に取り組んでいくことが大切です。
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