課題分析の枠組み
新しい行動(スキル)を身につけさせるときには・・・
「課題分析」ってなに??

「課題分析」をもっとしてみる

上記の「コップから水を飲む」というような単純な行動だけではなく、もっと複雑な行動についても「課題分析」を行うことができます。
例えば、「ボードゲームなど細かいパーツがあるおもちゃのお片づけ」を考えてみましょう。
まず、たくさんの細かいパーツが床に散らかっていると想定します。
それらがすっきり1つの箱に片付くまで、どんな構成要素があるのか、整理しましょう。
そのためSTEPでは、このように行動を細分化しリスト化した上で実際に子どもに片づけさせ、何番目の行動でつまずいているのかを確認してからその子に応じた指導方法を考えていきます。

例えば、⑧をせずに片づけを進めてしまい、片づけ終了後にパーツが落ちている場合、「パーツを小袋に入れた後に必ず確認しようね。」と声かけをすることが出来ますね。

また、手先の不器用さによって⑦で手間取っている場合はさらに課題分析をすることもあります(⑦-1左手で小袋の口を広げたまま持つ、⑦-2右手でパーツを2-3個つまむ、⑦-3つまんだパーツを袋の中に入れる…)。もし、⑦-2のように細かい物をつまむことが苦手と確認ができたら、片づけの練習に加えて指先を動かすトレーニングを実施することもあります。

さらには上記のように訓練によって片づけを上達させる方針がある一方、片づけやすい環境づくりに着目することもあります。⑦-1から⑦-3を観察した結果、“片手で袋を持ちながら”“ 片手でパーツをつまむ” という同時に2つの行動をすることの難しさがあった場合、袋ではなく小箱を用意し、その小箱を床に置いてパーツを拾うよう指導することで片づけを達成させることもあります。

ところで、上記の①~⑪の課題分析について、「あれ?私の片づけ方とは違うな。」とか、「大きいパーツを箱にしまってから小さいパーツをかき集めているうちの子は間違ってたんだ!」なんて思った方もいたかもしれません。しかし、それは決して間違いではありません。なぜなら、やりやすい順番は人によって異なるからです。
あくまでも、「片づけが最後まで出来るようになること」が目的です。なので、支援者と子どものやり方が違ったとしても、本人の馴染みのある順番を活かしてあげる、もしくは、やりやすい順番を見つけてあげるという視点も重要ですね。
上記の「おもちゃの片づけ」は課題分析の一例になりますが、この他にも、STEPではお子さんに身につけさせたいさまざまな行動に対して課題分析を行います。
課題分析で1つの行動を細かく観察することで、その子がどこまで出来ていてどこでつまずいているのかを把握し、その子に応じた個別指導をすることが出来ます。